状況対応型リーダーシップ6
◇平等でないものを平等に扱うほど不平等なことはない
四つの基本的なリーダーシップスタイルを例に挙げてより深い理解を得ましょう。
私がこの部屋の外がどうも騒がしくて、うるさいと感じたとしましょう。私があなたに向かって、『すいませんが、すぐにジョンソンさんに頼んで、外にいる人たちに廊下の向こうの方に行って話をするように言ってもらってください』と言い、そしてあなたがその通りにしましたと私に報告したとすると、それはどういったリーダーシップスタイルとなるでしょうか。そうです、それはスタイル1の『指示型』です。
スタイル2の『コーチ型』の場合は命令と援助の両方を多くあわせ用います。この騒ぎの処理にコーチ型を使いたいと思えば、私はこんなふうに言うでしょう。『オフィスの外が大分うるさいようですね。ジョンソンさんに頼んで、外の人に廊下の向こうに行って話をするように言ってもらうのがいいと思うんだけど。何か質問なり、提案があるかな。』というようになります。コーチ型の場合は、双方向のコミュニケーションを始めます。最終決定はマネジャーがします。しかし、部下の意見も取り入れます。部下のアイデアの中にもいいものがありますし、マネージャーとしては部下の積極性やリスクテイキングも強化したいわけですから、彼らに多くの援助も与えてやることになります。そのとき、部下の話を注意深く聞いたり、励ましの言葉をかけてやるのです。つまり部下に自分で自分の仕事を評価する方法も教えるのです。
ここでスタイル3の『援助型』を用いたいと考えた場合に、この騒ぎをどう処理すればいいでしょうか。『オフィスの外が騒がしくてうるさいですねーーどうすればいいでしょうか』こんな感じになります。スタイル3の場合は、スタイル2よりも、より自律を促すために、援助的行動を多く、指示的行動を徐々に少なくしてゆきます。
スタイル4の『委任型』をやろうとするとどうなるでしょう。『外が騒がしくてやりきれないな。君、何とかしてくれないか。』って。スタイル4では、日々の意思決定と問題の解決の責任を、仕事をする当人に任せます。
人によって扱い方が異なるのは一貫性に欠けるということにならないのかという意見もありますが、私は一貫しています。と答えます。それは一貫性の定義が異なっているということなのです。それは『誰も同じように扱うこと』が一貫していることだという定義と、私の定義では『類似の状況では同じようなリーダーシップを使うこと』となります。『人はみんな違うから難しい。だから、わからない。』とも違います。
次回は、状況対応型リーダーシップ7
◇リーダーシップスタイルに最上のものはない
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