状況対応型リーダーシップ12
◇部下を肯定的にみる
私自身、無意識のうちに、指示命令的なリーダーシップスタイルが使われるときは、マネージャーが部下たちは怠惰で、信頼が置けず、無責任で、したがって、細かい監督が必要だと判断した場合であると考えていました。逆に、マネージャーが参画的なリーダーシップスタイルを用いる場合には、部下が責任感があり、自らの動機づけができるものと考え失敗を繰り返してしまいました。
しかし、業績と部下の満足を同時に達成する優れたマネージャーの行動には、共通項があります。それは部下に対して積極的な思い入れをされているということです。すなわち部下は、すぐれた業績を上げるだけの潜在的な遂行能力を持っているのだと信じているということです。絶えず変動するのはマネージャーの行動の方なのです。指示と援助に対する部下の要求次第で変わるのです。重要なのは潜在能力という言葉です。
指示命令型のリーダーシップスタイルを用いるときは、その部下がハシにも棒にもかからないと思うからではないことを自らにわからせようとしているのです。つまり逆なのです。その部下は高い業績遂行力を発揮できる素養がある。つまり、自分で方向を決め、自らのやる気を起こさせる潜在力があるが、経験や知識がないのだと考えるようにするのです。そこが実に重要なポイントなのです。
これらはすべて、こういった言い方でまとめることができると思います。『人は誰も、潜在的にはすぐれた業績遂行者である。ただ、ちょっとだけ手助けが途中で必要になる人もいる。』(K・ブランチャード)
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