状況対応型リーダーシップ4

◇自律した達成者:発達段階④

<適正能力:高 やる気:高>


この発達段階にある人は、適正能力とやる気が共にある人です。この人たちは、監督したり援助したりしなくても、自分で立派に仕事ができるし積極的に働きます。発達段階③の人との違いは、自信と動機づけです。


自律した達成者の人たちは自信があり、自分で動機づけることができます。この発達段階の人は、他人からの称賛をそれほど必要としません。自分で自分を援助することすらできます。自分が正しく仕事をしているかどうかを自分で見つけるので、たとえ監督が必要になるとしても、ほんのわずかでいいのです。この人たちに必要なことといえば、仕事の成果は何か、目標は何かを知ることだけです。


すなわち、自律した達成者《適正能力:高 やる気:高》の人たちには、援助型行動も少なく、指示的行動も少ない『委任型』のリーダーシップスタイルが合っています。リーダーは、ある枠の中での意思決定と問題解決の責任を部下に任せればよいのです。


ここまで、いろいろなリーダーシップのスタイルを見てきました。そう、そのとおりです。マネージャーは相手によって、仕事の領域によって、スタイルを変える「状況対応型リーダーシップ」というリーダーシップのスタイルがいかに大切ということがご理解いただけたかと思います。つまり、相手を変えるのではなく、リーダー側が相手や状況に応じて変わるということなのです。


リーダーシップスタイルというのは、部下を監督したり、ともに働くときのやり方のことです。一定期間、人間の行動や業績に影響を与えようとするときに、あなたがどう振る舞い行動するかというそのやり方です。しかもマネージャーとしてあなたがどのようなリーダーシップスタイルで行動したいかではなく、他人からあなたがどのようなリーダーシップスタイルをとっているのか、どう感じとられているかということがすべてなのです。

つまり、リーダーシップスタイルの決定権は相手側にあるのです。


次回は、状況対応型リーダーシップ5

◇リーダーシップスタイルを柔軟に使い分ける